タロットカードの枚数と構成
トランプに非常に似ているものだと想像してもらえればわかりやすいかと思います。ただし、一般的なトランプと大きく異なるのは、タロットには22枚の奇妙な絵が描かれたカードが含まれている点です。この22枚のカードは「大アルカナ」あるいは「メジャー・アルカナ」と言われています。「アルカナ(Arcana)」という言葉は日本語で「秘儀」という意味で、タロットが何か神秘的なものであるというニュアンスがわかるかと思います。
一方、「小アルカナ」あるいは「マイナー・アルカナ」と呼ばれる56枚のカードがあります。これはやや枚数は異なりますが、トランプと同じようなものだと考えれば良いでしょう。すなわち、「大アルカナ」という特別な22枚のカードと、「小アルカナ」というトランプに似た56枚のカード、この2組を合わせると合計78枚からなるひとつのタロット・カード・パックが出来上がることになります(カード全体のセットのことをパックといいます)。
22枚の大アルカナのカードにはそれぞれ独特な呼び名が付けられています。
「愚者」「奇術師(魔術師)」「女教皇(女司祭)」「女帝」「皇帝」「教皇(司祭)」「恋人」「戦車」「正義」「隠者」「運命の車輪」「力」「吊るされた男」「死」「節制」「悪魔」「神の家(塔)」「星」「月」「太陽」「審判」「世界」となります。また、「奇術師(魔術師)」から始まって「世界」に至るまでの全てのカードには順に1から21のナンバーが割り当てられています。ただし、「愚者」のカードに岳は通常、番号がつけられていません。
56枚の小アルカナカードはさらに4つのグループに分けられます。トランプの「クラブ」「スペード」「ハート」「ダイヤ」と同じように、「棒(ワンド)」「剣」「カップ」「コイン(ペンタクル)」に分けられ(コレラヲスートと呼びます)、それぞれのグループは14枚ずつのカードから構成されています。トランプの場合は「エース」からはじまって「10」までの数のカードと、「ジャック」「クイーン」「キング」という人物が描かれた3枚のカードから構成されているためそれぞれのグループは13枚から成り立っています。ですが、タロットの場合は「エース」からはじまって「10」までの数字という点は同じであるが、残りの人物のカードが「ネイヴ(ペイジ)」「ナイト」「クイーン」「キング」と4枚のカードがあるため、全部で14枚になっています。
タロット占いの方法
シグニフィケイターを選ぶ
まず78枚のタロット・パックの中から、「シグニフィケイター(Significater)」と呼ばれるカードを選びます。シグニフィケイターとは質問者を表すカードのことをいいます。
具体的なやり方でいうと、前述の小アルカナの中から「質問者の年齢と肌の色」を元に、それに似た人物の描かれているカードを選びます。例えば20歳以下の少年や少女であれば「ペイジ」のカード、若い男性なら「ナイト」のカード、結婚している、あるいは成熟している男性なら「キング」のカード、20歳以上の女性なら「クイーン」のカード、といった具合です。
またその際、「ワンド(棒)」「剣」「カップ」「コイン(ペンタクル)」のうちどのスートから選ぶかも重要です。その場合、質問者の目の色や髪の色などを参考にします。例えば「ブルーもしくは淡い色の目でブロンドの男性」であれば「ワンド(棒)のキング」、「黒髪で黒い目の男性」であれば「剣のキング」といった感じである。
シャッフル方法
シグニフィケイターが決まったら、次にカードのシャッフルをします。シャッフルの際には、シグニフィケイターとなるカードは、パックからよけて机の上に置いておきます。また、シャッフルの後にカードをレイアウト(並べること)したときにカードの向きがどう出るかと言うことがカード解釈をする上で重要となるため、シャッフルはその点を配慮したやり方になります。
ちなみにここでいうカードの向きというのは、いわゆる日本のタロット占い師の間で「正位置」「逆位置」と呼ばれているものです。すなわち、占い師から見てカードが正しい向きで出たら「正位置」、逆さまに出たら「逆位置」と呼ばれ、それによってカードの占い上の意味が違ってきます。
カードのシャッフル方法ですが、カードを2つのパイル(束)に分けて、その片方を逆さまにし、それをリフルします。リフルというのは、よくプレイング・カードのディーラーが2つに分けたカードのパイルを親指の力で調整しながらパラパラと素早く左右順番に落としていくやり方です。
さらに、カードを質問者に渡して、それを好みのやり方でシャッフルさせます。その際、質問者はカードをシャッフルしながら心の中で質問を念じます。しして、質問がカードに伝わったと思ったらそれをやめます。一方で、質問者がシャッフルを行っている間、占い師の方は「自分を取り巻く高次の力」にお願いをします。例えば「その出来事の真実が明らかになりますよう」といった具合です。
シャッフルが終わった後は、質問者に左手を使ってカードを3つのパイルに分けてもらいます。次に占い師の方が、再びパイルを重ねて1つに戻します。
レイアウト方法
最後にカードの1番上から順に、カードを机の上にレイアウトしていきます。レイアウトの方法はいくつかあり、どのようなレイアウトにするかは最初の質問に応じて決めておかなければなりません。ここでは現在、日本のプロのタロット占いしの間でも大人気のレイアウト方法であるケルティック・メソッドを紹介します。
まずカードを図の数字の順番にレイアウトしていきます。それぞれのポジションにはそれぞれの意味があります。出たカードはそのポジションの意味に合わせて解釈していきます。
各ポジションの意味
- 質問者を取り巻く全体的な状況
- 1に対立する力。もしそれが良いカードなら、それは対立ではなく1を助けることを意味する
- 1のもとになっていること
- 近い過去からの影響、もしくは経験したこと
- 未来に起こるかもしれないこと
- 未来に物事がどうなっていくか
- 質問者がその質問について持っている恐れ
- その出来事についての家族や友人の意見や影響
- 質問者自身のその出来事についての希望や理想
- 最終的にどうなるか
各カードの意味
さらに、各カードの意味をキーワードとして列挙すると以下のようになります。
- 愚者
- 選択すべき状況
- 奇術師(魔術師)
- 創造的な力
- 女教皇(女司祭)
- 隠された影響
- 女帝
- 物質的な豊かさ
- 皇帝
- リーダーシップ
- 教皇(司祭)
- 慣習的なルール
- 恋人
- 2つの恋の間の選択
- 戦車
- 感情に対する精神の支配、憎しみを超えた愛の勝利
- 力
- 憎しみを超えた愛の力
- 隠者
- 知恵
- 運命の車輪
- 人生の上り下り
- 正義
- バランス、法的な事柄
- 吊るされた男
- 高次の知恵への自己の明け渡し
- 死
- 変化、リニューアル
- 節制
- 適応、調整
- 悪魔
- 誘惑、物質への囚われ
- 神の家(塔)
- 野望の挫折
- 星
- 健康、希望、インスピレーション
- 月
- ごまかし、予期しない危機
- 太陽
- 偉業、解放、結婚
- 審判
- スピリチュアルな目覚め
- 世界
- すべてのことにおける勝利
占い師はこれら各カードのキーワードを手がかりに、質問機にあった答えを見つけていきます。ただし、実際に占い師が導く答えは、必ずしもここに挙げた各カードのキーワードにしたがっているとは限りません。むしろそれとは全く関係なく、カードの絵柄から直接連想される内容を述べていくケースもあります。つまり、同じカードが出たとしても、それを読む占い師によって全く異なる解釈があるというわけです。
参考:『タロット大全』
最後に
以上がタロット占いの概要でした。タロット占いを受けてみてはいかがでしょうか?